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品質工学会 Kazzの品質工学特集
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5971.市場クレームの94%は設計責任について 返信  引用 
名前:showsheep    日付:2017年5月16日(火) 14時11分
はじめまして。ハンドルネームでご質問させて頂く事、お許し下さい。
品質工学では「市場クレームの94%は設計責任」という考え方をするとの事ですが、
これは機能限界に対する出荷規格の安全率を4とした場合とあります。
この安全率は3でも5でもなく、何故4で考えるのでしょうか?
製品品質の大半は設計責任であるという考え方である事は理解していますが、
4という数字には意味が有るはずだと思い、ご質問させて頂きました。
お手数ですが、ご教授の程、宜しくお願い致します。



5972.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:kazz@管理人    日付:2017年5月16日(火) 17時22分
showsheepさん
設計品質のご質問ありがとうございます。
安全率の件ですが、出荷規格(標準条件)を決めるときには、市場品質を考えてノイズを考慮した機能限界(顧客の規格)から決めることが普通ですが、一般的には安全率を4くらいにとることが安全であると考えています。安全率は3でも5でもよいのですが、企業の技術力によって決めることになります。安全率が4の場合は設計品質は94%になり製造品質は6%に考えればよいと考えています。したがって、安全率の考え方で設計品質は変わります。
安全率が1であれば出荷したとたんに市場トラブルが発生しますので、4くらいに考えて出荷すればよいと考えています。
製品のばらつき(市場品質)は、製造ばらつき(σe^2)と市場ばらつき(使用環境条件と劣化ノイズ)の和で決まりますから、製造ばらつきは工程品質ですから工程で低減できますが、市場ばらつきは設計段階で機能性評価とパラメータ設計で低減するしかないわけです。
このことはすでにご存知だと思いますが念のため申し上げた次第です。


5973.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:showsheep    日付:2017年5月16日(火) 17時34分
ご丁寧なご解説ありがとうございます。理解しました。


5974.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:kazz@管理人    日付:2017年5月16日(火) 21時24分
品質管理では、損失関数という考え方がないので、出荷規格は工程能力指数(Cpk)などから生産者の理屈で決める場合が多いのです。
品質工学では、市場で発生するトラブルからLD50で機能限界を考えて、機能限界を超えたときの損失と出荷規格を超えたときの生産者損失の比で安全率を考えて、安全率が4になるように出荷規格を決める方が、市場品質を考えない根拠のない工程能力指数で決めるより合理的であると考えています。
市場品質の94%の設計責任はこの考えで求めた値です。


5975.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:showsheep    日付:2017年5月17日(水) 8時57分
追加のご説明、誠にありがとうございます。
ご説明頂いた事から、次の様に理解していますが、間違っていないでしょうか?
-----------
商品を出荷後に、商品として成立しなくなる様々なトラブルが半数発生した時の損失(これが損失関数グラフでの顧客の不満足領域+商品としての故障分であり、補償や保守工数のロス、およびお客様での時間ロスやブランド低下での機会損失も含む)に対して、出荷規格内での損失(生産者損失:規格外れに伴う手直しや廃棄ロス、検査工数など)の比率として、安全率=4くらいで設計しないと、お客様の損失および生産者損失として総合での社会的損失という観点からは市場に出荷するべきではない。
-----------
ご説明の中で、「機能限界を超えたときの損失」とありますが、これは「損失関数グラフでの顧客の不満足領域+商品としての故障分」と理解しておりますが、合っているでしょうか?
また、おそらくLD50の算出があり、そこから安全率=4が妥当と行き着いたと推察致しますが、そこの計算は難しそうなので踏み込まないでおきます。

追伸)
品質工学とは、技術的な学問であり科学だと考えていましたが、最新は思想というか考え方だと感じている次第です。


5976.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:kazz@管理人    日付:2017年5月17日(水) 11時15分
showsheepさん

貴方のご理解は素晴らしいと思います。

>品質工学とは、技術的な学問であり科学だと考えていましたが、最新は思想というか考え方だと感じている次第です。

モノづくりには科学的思考も大切ですが、技術的思考は科学のような現象を解明することが目的ではなく、人工的な世界で自然にないものを構築するわけですから、演繹法や帰納法のような理論的に説明できる世界ではなく、試行錯誤的なアブダクション思考が必要になるのです。機能性評価における基本機能はまさにアブダクション思考が必要になるわけです。
見えない世界をSN比で予測する学問ですから、科学的思考の皆さんには理解できない面がありますね。


5977.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:showsheep    日付:2017年5月17日(水) 11時29分
ありがとうございます。
実は、今度 社内で若い人に品質教育を行うことになり、R&Dへの講義の中で、表題の事を盛り込む予定です。その中で安全率=4とした理由を理解したかった次第です。
今回の原先生とのやりとりの中で、自分なりに理解が深まったと実感しております。
本当にありがとうございました。


5978.Re: 市場クレームの94%は設計責任について
名前:showsheep    日付:2017年5月17日(水) 11時55分
追伸

確かに、製品開発、問題解決の中では、科学ではなく、理想とする目的や目標にたどり着くため、アブダクション思考で経験や過去トラ、世の文献を元に仮説を立てて策を決めているのだと、あらためて認識しました。たどり着く道は一つではないのですから。

5968.品質工学への道 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年5月3日(水) 10時24分
首題の言葉は私が1980年代に唐津一先生(当時松下幸之助最高顧問)から戴いた、品質管理テキスト 技術部門。設計部門のオフライン品質管理ー品質工学への道ー田口玄一著の表紙に書かれていた言葉である。
「道」とは何か?当時は科学的思考でモノづくりを行っていた私にとっては、新鮮な言葉であったが、内容が全く理解できず一年間本棚の片隅に眠ってしまったのである。もちろん田口玄一とは何者であるのか全く存じ上げなかったのである。
「道がないところはない。どこにでもある。あるがままそのものであるから」それまでは、科学的思考の一元的文化を信じていた身にとっては、品質工学の多元的原理の世界など考えてもみなかったのである。それまでは、市場におけるトラブルを防ぐためには、長時間の信頼性試験しかないと考えていたので、SN比のような尺度で短時間に「見えない世界」を予測できることは目から鱗であったのである。
アジア的な思想である老荘の哲学などは多次元性の世界であるが、品質工学の原点がそこに通ずることを認識したのはその頃である。無用の用や無為自然の考え方は「システムは複雑でなければ改善できない」に通ずる哲学である。
田口玄一は松下幸之助と同じ東洋哲学に精通した哲学者であったのである。

http://kaz7227.art.coocan.jp



5969. 品質工学への道は遠い
名前:kazz@管理人    日付:2017年5月5日(金) 12時26分
「やせ馬に山また山や春霞」は宰相浜口雄幸の俳句であるが、私の今の心境も同じようなものです。
品質工学の道は当たり前であるが、目に見えないだけに凡人には理解できないのだろう。

5967.メーカーは泥棒より悪い 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年4月22日(土) 23時30分
首題は田口玄一の仰った言葉である。
3年前に購入したトヨタの車に対して12月法廷点検の手紙が来た。点検費用は8640円だそうである。
メーカーに問い合わせたところ、法定だといっても受けなかったら罰せられることはないということである。
スレッド5961でも述べたことだが、最近の車の信頼性は低下しているのである。
しかし故障もないのに無駄な費用を使うことは許せないので、今回の点検は受けないことに決めた。

5966.人工知能(ディープラーニング)と品質工学 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年4月22日(土) 13時59分
モノを認識することは人間の特徴であるが、それは長い経験で、知識を積み上げて、失敗を重ねて認識ができるようになっているのであるが、そのために発達したのが、ニューラルネットワークシステムやMTシステムである。
画像の認識は三次元の世界でできるのであるが、目に見える品質は特徴量が分かれば短時間に即座に認識できるが、市場に出てからの見えない品質を予測することは簡単ではないのである。品質工学ではコンピュータシムレーションかテストピースでノイズを使って見えない品質を予測して、トラブルの未然防止を考えているのである。
人工知能でも同じように、人間の認識度を覚えこませて学習させることで、人間が予測できる程度のことは可能であるが、SN比のような理論的に説明できない未来の空間を予測することは困難なのである。
演繹法や帰納法のように理論的に説明できる世界は現状の人工知能でも可能であるが、自然の世界を認識できる計測技術であるセンサー技術をアブダクション思考で開発することが益々必要になってきたのである、

5965.品質工学会は社会に目を向けよ 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年4月12日(水) 14時29分
品質工学が市民権を得られないのは、学会内部からの一方的な考え方を主張しているからではないだろうか。確かに品質工学の哲学は従来の発想と異なり高潔であるためなじめないことも事実である。
いま社会的には残業問題が大きく取り上げられていて、厳しい労働問題が発生して、社員の自殺者が発生するなどで、金曜日を半ドンにするなど見かけでは働き方の改善を唱えるようになってきたのである。
品質工学では以前から働きの全出力の中で、有効成分と無効成分の割合をSN比で評価してSN比の増大を願ってモノ・コトの働きを評価している、
田口先生も仕事量は出力で測るべきで、入力で評価してはならないと仰っておられた。この点で、品質工学が世の中に先行しているのである。
私は現役時代に「その仕事の目的は何か」とか「この書類は何のために必要なのか」を強く主張したため悪魔扱いされたのである。
仕事の管理は、アローダイアグラム(PERT)で進捗管理を行い、アロー(矢印)では実施内容や実施期間や担当者を明記して、イベント(結合点)では目標値に対する成果を明記して、管理者や部下の間で進捗状態を管理した経験がある。このやり方の利点はガントチャートでは分からない日程管理ができるのである。
また、AIやIOTの時代では専門企業に限らず、どこでも誰でも車やパソコンやテレビなどの家電商品を造ることができるようになってきた。問題はそのように作られたモノの信頼性は保証されるとは考えらないのである。そのようなときに必要なのが品質工学の機能性評価なのである。
このように学会は、内向けの立場でなく、社会に向けて発信することが大切なのである。

5964.目的の明確でない研究発表が多い 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年4月10日(月) 23時40分
研究会で事例発表をされる技術者の中には、目的が明確でなく、機能性もいい加減で、パラメータ設計を行っている技術者がいるので困っている。
具体的な話をしないと理解していただけないと思うが、品質工学の考え方も手法も全く間違っていても平気なのである。その技術者が企業の指導者であることが、さらに問題なのである。
田口先生が、紙コプタ実験に対して、目的が明確でないから駄目だと言われていたが、コマの教材で品質工学を指導することも目的を明確にしないと同じことである。
しかも、信号のばらつきをノイズにとったり、制御因子をL8直交表に割り付け、誤差因子をL18直交表に割り付けて実験を行っているのである。ノイズは極端に差のある因子をN1とN2として単調に変化することが必要なのである。
人間の行動でも、目的が分からない仕事は全く意味がなく無駄な作業になるのである。

5963.田口先生と品質工学 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年4月6日(木) 11時56分
田口先生に「理想機能とは何ですか」とお聞きしたところy=βMと白板に書かれるだけでした。先生は「それはお前が考えることだ」と仰りたかったのだと思います。
スレッド5958に述べた「田口玄一語録」をホームページに載せていますが、品質工学を理屈で説明するのは至難の業で真意を解説することは不可能なのです。
先生は常々「事例で」といわれて、事例研究でしか品質工学の考え方を語らえなかったのです。未然防止は「見えない品質」ですから、理屈で説明できるものではないのです。SN比は絶対値ではなく、相対値ですから比較する場合しか意味がないのです。
CAEやテストピースで機能性評価やパラメータ設計を行った結果が実際の現場で再現するかは直交表で確認しますが、あくまでも予測に過ぎないのです。あくまでも「転ばぬ先の杖」に過ぎないのです。それでも損失関数で損失コストを評価して社会的損失の最小化を考えることが大切だと考えています。

5962.石鹸の評価のためのVPDについて 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年3月11日(土) 11時3分
エスケー石鹸の企業交流会で石鹸の洗浄力評価のVPDの発表が行われることになっている。
商品の評価は商品品質(価値や好みなど)と技術品質(市場における使用条件による故障や劣化など)の両面から評価することは必要である。品質工学では後者の技術品質を重視して、商品品質は商品設計の段階でチューニングすればよいと考えてきた。
問題は石鹸や化粧品のような感覚特性を評価する場合、技術的な機能性評価だけでは十分でないということで、商品品質にも活用される手法としてVPDが考え出されたと推察される。それは感覚特性を評価する技術特性が見つからない場合が多いからである。
商品品質は感覚特性を標示因子として、顧客の立場で点数評価でもよいから評価することは大切なことである。
基本的なことは、感覚特性でも加法性や再現性の高い「技術特性」の機能性で評価することを忘れてはならないと考えている。

5961.車の信頼性問題 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年3月6日(月) 14時28分
私が乗っているアクアは購入して3年ぐらいになるが、2個のタイヤの側面の傷が発生して交換することになった。ガソリンスタンドの話では、最近の車はコストの削減で最初の車検期間くらいの3年くらいでタイヤを交換するのが多いとのことである。
メーカーの話では雨曝しのところや太陽熱に直接あたる場所では劣化が早いとのことである。タイヤの側面は非常に薄いので外壁などに擦った程度で破れるのである。過去に数台の車に乗ってきたが3年くらいでタイヤを交換したことがないので驚いている。
田口先生は「メーカーは泥棒より悪いことをしている」ということばその通りであると実感している。
販売会社の話では最近の車は静粛性などをよくするために改良しているようだが、そのためロバスト性が低下しているのかもしれない。
トヨタは最近品質工学を活用するようになったが、品質とコストのバランスが崩れて利益重視になってきたのではないのだろうか。

5959.バーチャル設計について再考 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年3月5日(日) 10時23分
スレッド5948でも述べたが、学会ではバーチャル設計が評価されてたくさんの事例が発表されているが、何故このような事態になったのか再考してみる。
矢野先生は、バーチャル思考は、技術者が考えていることの「システム化」が狙いだとおっしゃっておられる。中国の荘子の哲学である曖昧さを形で表現されたものであるともいわれている。このことは賛成できる。
最近の事例を見ると、技術者が悩んできた汚れや摩耗などや化粧品の品質問題などのスペック問題についてバーチャルで点数評価の望小特性評価で最適設計を考えている例がほとんどである。
我々は、過去において製造問題のほとんどが品質問題で悩まされてきたのは事実である。
田口先生はそのような品質問題を改善したいときには、品質特性を測ってはならないと諭されていたのである。
従来設計では、品質特性を改善することが大半であって機能性評価など普及してないのが現状である。バーチャル設計では、基本機能などを考えることは至難の業であるから、とりあえず品質問題から設計を考えてから、機能性評価で確認することを推奨されているのだろうか。
化粧品の場合には、たくさんの感覚特性同士の交互作用があるからそれぞれの特性の点数評価で最適設計を考えるのは理解できる。
田口先生が、豚の糞尿処理の解決問題で排泄物を少なくするには、豚にたくさん餌を与えて早く成長させて出荷させることが排泄物を減らす最適な手段で「一石全鳥」であると機能性評価を説明されておられたことを思い出している。

バーチャル設計の疑問点
 過去の事例を見ると従来技術や従来商品に活用した事例がほとんどで、新技術や新商品に活用する場合、制御因子もわからないのだから、ニーズに対していくつかのシステム選択をする必要がある。その場合、システムを創造するのだから、目的機能を満足する技術手段の制御因子の選択にバーチャル思考でシミュレーションやテストピースを活用することになる。
この場合、イメージを具体化するバーチャル思考が必要になるのである。
現在行われているバーチャル設計はシステムが分かっている場合に制御因子を操作して品質特性の最適化を行うのであるから、バーチャル思考はほとんど役立たないと考えている。しかも、ノイズを考えているのだが、ノイズと制御因子の交互作用であるSN比に矛盾がないのかも問題である。
繰り返すようだが、新しいシステムの選択の場合バーチャル設計が必要になるのである。

http://kaz7227.art.coocan.jp

5960.豊洲問題の責任について 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年3月3日(金) 16時54分
本日3時から石原元知事の記者会見が行われた。
豊洲移転の瑕疵責任についての質問に対して、石原氏の回答は「豊洲移転を決めた作為の責任は私を含めて議会と副知事など関係者に責任があるが、移転を怠っている不作為の責任は小池知事にある」といって、瑕疵責任を認めていないのである。
「瑕疵責任」は、その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、売主が買主に対して負う責任をいいます。ある。今回の場合であれば、売主である東京ガスの責任があるのである。
今日の段階では、取引が水面下で行われたようであるから決着は持ち越された。
もしも不作為で終われば、小池知事の責任は重大であることは明白である。

商品設計の場合、設計責任のトラブルがある場合、設計者の責任であって、管理者や社長など上司の責任ではないのであるが、日本では設計者が責任を問われて減給されるケースはほとんどないのである。
海外の企業(欧米)では設計者の責任が問われる場合が多いのである。

5958.田口玄一語録について 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年2月19日(日) 10時39分
田口玄一先生が発言された語録の中で、印象に残るものを再考してみた。

1.品質がほしければ品質を測ってはならない
これは田口哲学の本質である。市場でトラブルが起こるのは、製品のスペックである壊れる、摩耗する、性能が出ないなどの「品質問題」であるが、顧客がほしいのは製品の機能が使用環境条件で長時間 劣化しないことである。 アメリカでは To get Quality, Don’t measure Quality. Measure Functionality と主張されてい る。そこで、品質工学では機能・性能は勿論のこと、機能の安 定性を確保するためには、製品の目的機能や目的機能を満足する技術手段の基本機能の機能性をSN比で評価するロバスト設計で、品質問題を起こさないようにすることを考えている

2.技術者は責任を取らない
市場でトラブルが出る原因の大半は(安全率=機能限界/出荷規格)が4の場合、設計責任は 94%であり、製造責任は 6%に過ぎない。ところが、従来の設計では、標準条件の「機能設計」の後で、規格で決められた特定の信頼性試験で試験や検査で不良率や故障率の合否の判断で、製造に引き継いで 生産を行い、工程品質だけの確保で出荷しているため、市場においてトラブルが出た場合、設計や製造全体で部分的な調整作業で問題解決を行うため、トラブルの責任が明確にならないのである。 品質工学では、設計段階で市場環境条件や劣化のノイズに強くなるような「機能性設計」で未然防 止対策を行うため、トラブルが出た場合でも。トラブルの原因や責任が明確になるのである。

3.技術者は解が無数あることを知らない
科学的思考の技術者は、1+2=3が正しいと考えていて、社会に出ても正しい答えは一つしかないと 考えて、モノづくりを行っている。 科学は現象解明が目的だから、真の答えは一つしかないが、技術は現象を利用して人工的なものを 創造することであるから、答えは一つではなく無数に存在するのである。科学と技術は別物なのであ る。 真値(理想機能)は一つしかないが、理想に近づける手段は無数で、経済的に最適な答えを考えるの が、技術者の役割であり責任である。 品質工学では、目的に合った理想機能を画き、理想機能を達成する手段を創造して、理想機能のば らつきによる損失と投資コストの和が最小で、両者のバランスがよくなる設計を行うことをオフライン設 計やオンラインの製造工程で考えている。

4.技術に対する総合判断の議論がない
モノづくりにおいて、サブシステムの部分最適のテーマは多いが、メインシステムの全体最適を考え た場合、サブシステムが独立でない場合、サブシステム間の交互作用でメインシステムの機能性に影 響することが考えられる。 メインシステムの機能性の最適化を考えた場合、関係するサブシステムは制御因子であるから、制 御因子が多いほどメインシステムの機能性の改善効果は大きいのである。 MTシステムでは項目数は制御因子であるから項目数が多いほど特徴量の予測 推定精度は向上するのである。

5.技術者にテーマを選ばせてはならない
技術者は問題解決テーマしか考えないのが普通である。テーマとは企業の将来性を考えて、管理者 (技術責任者)が企業の中長期展望から選ぶものであるから、 技術責任者が企業の戦略に基づいたテーマを自ら選んで、部下に与えることが必要である。部下はテ ーマの目的を明確にして、具体的戦術を考えて、システム選択を行い、機能性評価とロバスト設計を行 い、進捗状況や出来栄えを管理するのは責任者の役割と責任である。

6.技術データを取って開発してはならない
誤解のある言葉であるが、後でも出てくるが、専門技術で問題にしているデータはレスポンスの研究 のための解析データが目的であるから「ノイズの影響」を考えたものではない。また、問題解決のような 部分的な品質特性の現象を解析するデータがほとんどで、機能性評価から生まれたデータでないもの である。「機能設計」のデータは専門技術の解析データであるから、市場においては「機能性設計」のデ ータに比べて再現性が低いのである。

7.技術は失業者を増やす
問題解決のテーマを行っている場合には、たくさんの技術者が必要であるが、技術開発で機能性評 価やロバスト設計で効率的な開発で開発期間を短縮すれば、技術者だけでなく、トラブル対策の人員 も削減できるため失業者は増えることになる。 そこで、余った技術者は新しい技術テーマに取り組めばよいのである。 ところが、現実は問題解決だけでなく、設計が効率的でないため、残業が増えるのである。

8.設計に物理学は役立たない=理論は意味を持たない
前述したが、科学的思考の技術者は物理学のオームの法則やフックの法則が正しいと信じて設計を 行うため、ノイズに弱い設計しかできない。市場ではノイズだらけで理論通りのモノはできないのである。 理論の世界は神の世界で、ノイズを考えていない理想機能を追究することしか考えていないのである。

9.因果関係は役立たない 誤差原因の探求は止めよ
理想的な因果関係はノイズを考えていないレスポンスの研究であるから、ノイズだらけの市場では役 立たないのである。また、統計的な偶然誤差の探求もノイズのような強制誤差に比較したらはるかに小 さいものであるから、無視しても構わない。偶然誤差はたくさんのデータ(n数)が必要であるが、強制 誤差の場合1個のデータ(n=1)で評価すればよいのである。何故ならば消費者は1個しか買わないし、 故障が起こるのはその 1 個がノイズに弱いからである。(機能性評価とロバスト設計) 病気でも個人個人の症状が異なるのだから、個人がノイズに強くなることが大切で、病気に罹ったら 個人に合わせた処方が大切なのである。(MTシステムの活用による診断と予防)

10.品質データはうまくいかない
前述したように、品質特性は交互作用が大きくて加法性が低いので、市場における品質改善には向 かないのである。市場品質の改善には、加法性や再現性の高い機能性評価で改善することが大切であ る。

11.品質工学は専門技術を議論しない
モノづくりでは、機械や電気や化学などの固有技術で、システムの「機能設計」を行うが、品質工学 では機能設計の良否を評価する学問であるから、システムを構成する手段は何でもよいのである。
したがって、構成されたシステムの機能がロバストであるかを評価するためには専門技術は議論しな いのである。

12.目的のないデータは意味がない
モノづくりでは、企画段階で責任者が目的を明確したテーマを設定して、技術者はテーマを解決する 目的機能(Soft)を満足するシステム(Hard)をたくさん創造して、機能や性能やコストや作り易さの高 いシステムを選択して、機能性評価やパラメータ設計で最適システムを行うためのデータ解析が大切 である。

13.役に立つ交互作用と役に立たない交互作用がある
パラメータ設計で、制御因子間の交互作用は、下流への再現性を悪化させるため役に立たないが、 制御因子とノイズとの交互作用であるSN比は加法性の改善ができて、再現性を高めるために役立つの である。

14.偏差値はダメだ
偏差値はマハラノビス空間を使っているが、母集団の平均値が変われば個人の偏差値も変わってし まうので意味がない。MTシステムでは単位空間や平均値が全体の母集団で決められるので、単位空 間からの距離で個々のデータの評価を行うのである。

15.真値は約束に過ぎない=真値は存在しない
計測技術で計測器の評価を行う場合、誤差(e)=読み値(y)−真値(M)であるが、真値は約束事で 不明であるから、誤差は求められないのである。そこで、品質工学では y=βM+e で誤差を含めたデー タを考えて、誤差を機能性評価でSN比η=Sβ/SNで評価して、SN比ηの逆数で「SN比誤差」を求め るのである。



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